●水戸ホーリーホックとは
前回第16節で対戦し、さぁここから浮上だという意気込んだ試合だったが、上原ワントップという謎采配の結果、0-1と札幌が敗戦している。鈴木隆行の当たりの強さに対応しきれずPKを献上し、非常に痛い一敗だった。
システムは3-5-2。前回対戦時は4-4-2であったが、中盤を厚くして守備力を改善するのと同時に中盤を制圧してFWの鈴木隆行にボールを集めて、二列目の#10橋本や小澤ら得点力のある選手が攻撃に絡む流動的な4トップに近い戦術を取ってくる事で前回よりかなり得点力がアップしている感がある。以下が予想スタメンとなる。

●まともに組み合うと苦戦必至
DF二人ぐらいを背負ってもビクともしない鈴木隆行の存在は札幌にとって脅威であり、2トップ2シャドーをCBの2人とボランチの2人で抑えに行っても鈴木隆行の対応に二人掛けてしまうと最終ラインは数的不利が生まれ、よほど注意深く対応しないとあっと言う間に守備は綻んでしまう。札幌の戦術に柔軟性があればこの試合はスイーパーを一人入れた方が良いと思われるが、今季の札幌にはそこまで相手の良さを消す柔軟性はなく、いつも通り4-5-1で戦うことになる。札幌がこの水戸相手にまともに組み合うと苦戦必至な雰囲気がある。
よって鈴木隆行のポジションに応じて4バックの守備が全体的に横スライドし、更にSHが最終ラインまで下がる事が必要になる。鈴木隆行をCBとSBで挟み込んで自由を与えずボールを動かせさせない事がファーストチョイスだが、更に最終ラインに穴を作らないようSHの選手がどれだけ守備に戻れるように頑張ってケアするのがセカンドチョイスだ。この戦い方が求められるタイミングで岡本の復帰は非常に有難い。荒野と共に守備にも頑張ってもらいたい。更に三上をサブに置くことが出来、両SHの選手どちらかが後半タレてもそれを三上で補う事が可能になる。また、終盤の守備固めに松本というオプションも心強い。この2枚の交代カードはどんな展開になろうとも90%以上の確率で発動するものと見られ、残りカードは1枚という事実からスタメンは慎重に選びたいところだ。
マスコミ報道によるとフェホのワントップ、前俊のトップ下という予想である。これは両者とも90分持つとはあまり思えなくやや博打。しかしながら中3日の試合でコンディションはあまり良くなく、内村を無駄遣い出来ないのも事実。フェホ−前俊という組み合わせはあまりマッチするようには思えないが、互いの潜在能力に賭けたいという意図が見える。フェホ、頼むから前俊の前に立ってスペースを消し邪魔になるようなプレーをしないでくれ、と願うばかりだ。
願わくば早い時間でリードして終盤を迎え、前述の両SHの交代カードと共に、前俊out→河合inで河合をスイーパーに入れて盤石の逃げ切り勝ちを狙いたい。フェホが終盤までスタミナを残してくれれば単騎カウンターも成立しやすく勝利の確率がぐっと高まる。同点あるいはビハインドであればサッサとフェホを諦め内村で勝負を掛ける、という戦い方になるだろう。
よって以下が予想スタメンとなる。

出来れば前回鈴木隆行にまったく対応できなかったソンジンより櫛引を使って欲しいところ。なぜそこまで財前監督はソンジンを寵愛しているのか謎だ。
●プレーオフ圏内までは僅かだが・・・
ここまで相手との戦力差とはあまり関係なく勝ったり負けたりを繰り返している札幌。プレーオフ圏内の6位まで勝ち点3差ではあるが、順位に見合うようなそこまで安定した力を発揮しているとは言えない。自分たちの流れが良ければ良いサッカーをするが、流れが悪い中で逆境を跳ね返すような力はまだ今季見せてない。本当にプレーオフ圏内を目指すのであれば、今節水戸戦から始まり岡山、栃木、長崎と続く4連戦をすべて勝ち抜いていく結果が必要だ。それも苦しい戦いの中から勝利を手繰り寄せるような強さを見せる事が必要であり、そういう意味ではこの水戸は絶好の相手である。この試合をモノにすれば、きっと今後の戦いは面白くなるだろう。